川崎和男:大腸菌は基本的には無害ですが、雑菌(こういう名前はありえない)です。しかし、最近はO157などは大変な病原菌になっています。大腸菌が河川や海などの環境汚染の指標菌になっていることからも検査の指標菌であり、一般的にはこの菌への影響力は基本的な菌存在の有無です。大腸菌、病原菌、環境汚染という単語から、タイトルにある「深紫外線の消毒機器」が大腸菌の殺菌を目指していることが読み取れる。論文投稿を目指すのであれば、原稿の可読性に最優先で取り組まねばならない。著者(川崎和男)に日本語執筆能力が無いことは著者本人によるブログから明白なので、日本語で書くにしろ英訳をプロに依頼するにせよ、日本語原稿に関してプロのエディタを雇うことを提案する。
川崎和男:まず、深紫外線での菌繁殖性を完全に食い止めることを指標にしました。タイトルにもある「動物実験」の目的が書かれているようで、実のところ何を目的とした実験なのか全く書かれていない。この文を好意的に解釈して、この実験が深紫外線(文脈から読み取ると波長256[nm]のUVCのこと)によって大腸菌が殺菌されるか否かを検証するためだとすると、川崎和男ブログ『電磁波革命と遺伝子革命が近接場で始まってきた』(引用・補足記事)に書かれていた皮膚に対して非侵襲であるか否かの検証はこの実験では行わなかったということになる。またUVCによって大腸菌が殺菌されることは既知の現象であり、実験することは大切ではあるが論文発表に値する新規性は期待できない。そもそも研究テーマが整理されていないので、大学で正規の教育を受け、研究計画の立て方を学ぶことを提案する。
川崎和男:それから創傷直径8mmφをラット36匹を4つのグループに分けて、大腸菌に関する記述が無い。検査用消毒薬の成分も分量も書かれておらず、紫外線の出力、照射範囲、照射時間も書かれていない。これでは実験の再現性が全く担保されず、論文にならない。先行する研究論文を読んで理解し、論文の作法を身につけるべきである。
● 創傷のまま:コントロール
● 検査用消毒薬を塗布
● 深紫外線 UVC256nm
● 深紫外線と消毒薬を同時塗布
これは動物実験の阪大専門の検査機関によるものを学び指導を受けました。
川崎和男:実に心配だったことは、毎日朝夕に結果を知らせてもらう2週間でした。(読んでいるこちらが心配になる。)
川崎和男:いきなり、4日目には深紫外線がすでに治癒が始まったとの知らせでした。研究室では大きな期待が膨らみました。(これは高度なギャグであろうか。)
川崎和男:フォトニクスセンターの回答は「えっ、デザイナーが」でした。デザインはとても軽く見なされていると自分には怒りがありました。デザインの実務は問題解決であり、阪大には腸チフスを発見した先人、福井県同郷の学者・藤野恒三郎氏がいました。彼は阪大の微生物研究所初代所長であり適塾での使用品コレクターでした。彼は橋本左内を受け継いだ阪大の名誉教授でした。ふるさと福井にも知られていませんが彼の著作は近代外科史の代表作です。自分はデザイナーながら、この動物実験結果で、深紫外線の表面だけの殺菌効果の推移を見詰め直していました。研究報告としてはどうでもよい内容だが、ブログなので特に責められるべき内容ではない。ノイズでしかないので論文には書かないように。
川崎和男:結果、2週間後に全てのラット、その創傷は完全治癒しました。しかし、具体的には、深紫外線と消毒薬の同時塗布、ほどんど同様な治癒が深紫外線でした。消毒薬とスタンダードである自然放置が明らかになりました。残念ながら意味がわからない。「何もしない」→完治、「消毒薬塗布」→完治、「UVC照射」→完治、「消毒薬塗布及びUVC照射」→完治ということだろうか。研究の有効性を自ら主張しないのは、研究が無価値であることを主張することと同義であり、当然論文としての価値もなくなる。そもそも著者はプロダクトデザイナーではなかったか。プロダクトデザイナーの立場に立ち返って、自身のプロダクトすなわち研究成果の有効性を主張すれば良いのだが、それさえできないということは、著者自身が研究内容を把握していないことが強く示唆される。共同研究者と深い議論をしたうえで、研究テーマを再確認することを提案する。
川崎和男:ただし、これは表面とその表皮の顕微鏡写真で明白になり、デザインからの論文は提出学会選びになっています。顕微鏡写真で何が明白になったのかが示されていない。まさか結果が「完治しました」だけということは無いと信じたい。
以下に論文執筆のためのアドバイスをまとめる。(これが高度な論文執筆指導を期待される大阪大学教授へのアドバイスかと思うと情けなくなるが、それはひとまず置いておく。)
- 可読性:著者(川崎和男)の従来のブログ記事を読む限り著者本人に日本語執筆能力が無いことは明らかであるため、プロのエディタを雇うなどして可読な論文を執筆すべきである。これはプロに英訳を依頼する場合も同じである。
- 新規性:川崎和男ブログ『動物実験の詳細:深紫外線の消毒機器デザインで』からは研究の新規性が全く読み取れない。川崎和男ブログ『電磁波革命と遺伝子革命が近接場で始まってきた』(引用・補足記事)で人体への非侵襲性を匂わせているため、もし人体への非侵襲性をもって新規性を訴えるのであれば、そのように明示すべきである。
- 再現性:ブログだから省略したのかもしれないが、実験を再現するために十分な情報が示されていない。実験結果も数値で示すべきである。著者は論文執筆の教科書や先行する論文を読んで作法を理解するべきである。学部生に混じって講義を受けるのも良いかもしれない。
- 有効性:川崎和男ブログ『動物実験の詳細:深紫外線の消毒機器デザインで』からは、ブログでこそ真っ先に訴えるべき研究の有効性が何一つ示されていない。これは著者自身が研究テーマを理解していない可能性を強く示唆する。共同研究者と表面的ではない議論を行い、研究テーマを再確認することを勧める。
- 真正性:当然のことではあるが論文に不正(捏造、改竄、盗用)があってはならない。そもそも可読性が絶無なので盗用は考えられないが、著者のブログを読む限り自分の理解していない用語をあえて使う、論理の飛躍を行う、論点のすり替えを行うなど不誠実な態度が散見されるため、念のため項目として追加した。
以下は蛇足。
川崎和男:同様にデザインは日本デザイン保護協会届けによって、知財権:工業意匠権を確保したのです。(それはよかった。)